スーパーマーケットの業界団体の一つである新日本スーパーマーケット協会(横山清会長)の第2回全国大会が、19日に札幌パークホテルを会場に開催された。日本セルフサービス協会と全国スーパーマーケット協会が3年前に合併して誕生した新団体だが、詰めかけた1000人を超える会員たちの熱気から、この団体は今後スーパーマーケット業界が大同団結する核になることがはっきりしてきた。(写真左は、コープさっぽろの大見英明理事長やセイコーマート丸谷智保社長も参加した鏡開き。写真右は左からオール日本スーパーマーケット協会荒井伸也会長、清水信次名誉回長、横山清会長、桐生泰夫大会実行委員長、近藤龍夫北海道経済連合会会長)

 

第2回全国大会は札幌を会場に昨年行われる予定だったが、東日本大震災で延期され今年開催にこぎつけた。19日午後2時から始まった大会では、最初に大会実行委員長の桐生泰夫北雄ラッキー会長が挨拶、「復興が始まった東北からも多くの会員が集まってくれた。全国から参加された会員の方々に感謝する」と述べ開会を宣言。

 

続いて横山会長(アークス社長)が立ち、「私もこの商売に入って51年になるが、最初のうちは小売業はどうしようもないと思っていた。しかし最近はつくづく、『いい仕事についてよかった』と思うようになった。来世があるならばまたこの仕事をしたいというくらい素晴らしい同僚や仲間、同業者の方がいる。お客様のために終生仕事をして迎えられることに誇りを持っている」と語った。

 

さらに、横山氏は同じスーパーマーケットの業界団体である日本スーパーマーケット協会との合体について言及。「先週の金曜日に日本スーパーマーケット協会の会合があった。私も同協会副会長ということで参加しているが、新日本スーパーマーケット協会と日本スーパーマーケット協会が合併すればもっともっと素晴らしい成果が上がるだろうということで、正式に(合併に向けた)対策委員会を発足する手続きが採用された。これによって日本の食品スーパーマーケット業界の大半が一つの形をなして今までできなかったこともできるようになるだろう」と述べ、業界団体の大同団結によって政治や行政への発言力をより高めていくことに強い決意を示した。

 

新日本スーパーマーケット協会と日本スーパーマーケット協会の名誉会長に就いている清水信次氏(ライフコーポレション会長)も挨拶の中で、「私は86歳と6ヵ月だが、あと2~3年の寿命だろう。私より10歳若い横山さんは、日本の流通業界団体の要であって日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会の合併とともにできれば日本チェーンストア協会とも一緒になって欲しい。我々食品スーパーマーケットは国民の生活必需品を供給する役割を果たしていて、国民の生活を守っている大きな義務と責任を持っている。横山さん、ひとつね、あなたが先頭に立って頑張ってください」と壇上で横山氏にエールを送るなど、さながら新たな業界団体設立に向けた決起集会のような様相だった。

 

式典の後には、ノーベル化学賞を受賞した鈴木章北大名誉教授が講演、1964年ころ米国留学中に米国ではスーパーマーケットしかなくてよく利用したことやノーベル賞受賞前後のエピソードなどを1時間に亘って話した。

 

午後6時半から行われた懇親会は会場に入りきらないほど参加者が集まったが、圧巻だったのは主催者や来賓を交えた鏡開き。道内の来賓者には新日本スーパーマーケット協会に加盟していないコープさっぽろの大見英明理事長やマックスバリュ北海道の山尾啓一社長、また道内コンビニ最大手のセイコーマート丸谷智保社長らも出席、北海道の食品小売りチェーンのトップが勢揃い。全国に先駆けて北海道の食品小売りチェーンが大同団結したような演出で会場は異様な熱気に包まれていた。

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