アークスの主要子会社であるラルズは14日、新社長に守屋澄夫専務(64)が昇格、齋藤弘社長(69)が代表権のある副会長に就任するトップ人事を行った。齋藤氏は今年70歳を迎えることから後進に道を譲り、ラルズ副会長のほか道東ラルズ、道南ラルズの代表取締役会長にも就任、アークスグループの中核であるラルズグループ全体を統括することになった。守屋氏は、道北ラルズ社長を兼務する。ラルズ代表取締役会長でCEOの横山清氏(77)は留任した。(写真は、横山清氏=右と齋藤弘氏。一昨年秋のスーパーアークス月寒東店のオープンで)
 
 齋藤氏は、1967年北大水産学部卒。同年大丸産業に入社し、取締役商品部長、営業本部長を経て99年に副社長、2007年5月に社長に就任した。ラルズ会長でアークス社長の横山氏とは北大水産の同窓で、ラルズの前身であるダイマルスーパー時代から“外交の横山、内政の齋藤”と呼ばれる二人三脚で店舗拡大を進めてきた。
 
「横山氏の考えを店舗運営に具体的に落とし込んで形を作り上げてきたのが齋藤さん。一部には、齋藤さんはリタイアを申し出たが横山さんが説得して副会長ポストに落ち着いたという見方も出ている」(流通関係者)
 
 新社長に就任した守屋氏は、ラルズの第二世代で71年に入社。91年に取締役第1商品部ゼネラルマネジャー、95年常務営業副本部長(衣料・住居関連担当)、98年には道北ラルズ社長を兼務し02年11月に常務、07年5月専務に就いていた。
 
 道北ラルズは7月17日付でふじに吸収合併され、道北アークスとして発足するため、守屋氏の動向が注目されていたが、流通業界では、「齋藤さんの後を継ぐのは守屋さん」という声が多かったため、順当なトップ交代と言えそう。
 
 ラルズ副会長に就任した齋藤氏は、道東ラルズ、道南ラルズの取締役から横山氏と交代する形で代表権のある会長に就任した。横山氏は取締役相談役に退いた。なお、道東ラルズの取締役には、昨年11月にグループ入りした篠原商店の篠原肇社長も就任している。
 
 ラルズのトップ交代に伴って注目されていたのは、『ビッグハウス』を成功に導いたとされる猫宮久常務営業副本部長兼商品統括部担当の専務昇格があるかどうかだったが、今回は見送られた。
 
 アークス成長の原動力は、「横山―齋藤」のラインによるところが大きい。横山氏の思想を齋藤氏が実践する重戦車のようなコンビは、他の道内食品スーパーにはなく、アークスが大規模していく中でも野武士的風土が現場から失われないのは、この強固なラインが色褪せなかったためだ。
 
 齋藤氏は、店舗のリニューアルや新店オープン時にはエプロン姿で買い物客を迎え入れ、カートを揃えたり店内を案内するなど現場を率先垂範するトップだった。
 
 守屋氏は、道北ラルズ社長として同一商圏内のふじと競争と協調による相乗効果でアークスグループの道北でのシェア拡大に実績を作ってきた。「齋藤の前に道なし、齋藤の後にも道なし」と言われた暴れん坊だった齋藤氏の後を、守屋氏は持ち前の戦略家としてどう采配を振るっていくのか、「ニューラルズ」の守屋カラーが注目される。


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