アークスの新年名刺交換会が6日、札幌パークホテルで開かれた。昨年10月21日に青森県地盤のユニバースを統合して初めての新年交換会ということもあって初出席した三浦紘一会長(ユニバース社長)のもとには道内の業界関係者が名刺交換のために数珠繋ぎで並び、その数は500人以上に及んだ。三浦会長は「アークスが全国に目を向ける先導役を果たしたい」と挨拶、横山清社長も「流通が抱えている問題点を勉強しながら北海道・東北から南下作戦を行っていきたい」と述べ、両トップともにアークスの本州進出をさらに加速する考えを明らかにした。(写真は上段左が三浦紘一会長、右が横山清社長、下段は篠原商店の篠原肇社長)
 
 アークスの新年名刺交換会は、毎年パークホテルで行われている恒例行事。今回は業界関係者など約1500人が参加し、アークスのトップや幹部職員たちと新年の挨拶を交わした。
 
 昨年10月にアークスグループになったユニバースの三浦社長(アークス会長)は今回が初参加。最初に挨拶に立ち、「昨年は3月11日の東日本大震災で当社の店舗も被害を受けたが、復興需要もあって全店舗ともに好調に売上げを伸ばしている。お正月の売上げも順調だった」と語り、「アークスとの統合は想定外の反響を呼んだ。統合時点ではアークスが3000億円を超え、当社も1000億円を超えていたため4000億円を優に超える規模になったため注目を集めたのだろう。もし両社統合しても3000億円台だったらかなり印象は弱かったかも知れない」して、統合時期に恵まれたことを強調した。
 
 さらに会長としての役割について、「アークスはこれまで道内で5000億円を売ると言ってきたため、殆どの目が道内に集中していた。(ユニバースとの統合で)グローバルとまでは行かなくても、地域に根ざした食品スーパーとして全国に目を向けること役立ちたい。道内のアークス店舗はまだ数分の一しか見ていないが、各社の実態がおぼろげながら分かってきた。これからしっかり勉強していきたい」と述べた。

 続いて横山社長が登壇。
「アークスは、今年10年目の節目を迎える。アークスを新しく変えていくが、食品スーパー業界に『これが新しいということか』ということを打ち出していきたい。今年は明治政府が誕生して144年、つまり干支の12年サイクルで言えば二乗したことになる。中央から見れば北海道・東北は辺境の地だったが、流通業が抱える問題点を勉強して革新を辺境の地から起こして南下作戦を行っていきたい」とさらなる統合に向けて前進することを誓った。
 
 昨年11月にアークスグループに入った網走市の篠原商店・篠原肇社長も登壇して挨拶。
 
 篠原社長は「アークスグループは“勇将に弱卒なし”という言葉がピッタリだ。アークスグループの強さは外から見てある程度は想像していたが、中に入ってからもレベルが高いことに驚かされている。私も一兵卒として、弱小でもキラリと光る存在になりたい」と語った。
 
 会場となった地下二階のパークプラザはほぼ満杯。例年なら横山社長の前には長蛇の列ができるが、今年は初顔見せの三浦会長が主役。乾杯の後に始まった懇談では、三浦会長と名刺交換する食品メーカーや卸会社の役職員が絶えず、会が終了するまで名刺交換が続いていた。(下の写真)

 
 
 なお、例年出席していた福原朋治副会長(福原社長)は、この日釧路で開かれるアークス新年会に出席するために顔を見せなかった。釧路では昨年から安売り競争が繰り広げられており、「気合を入れに行ってもらいました」(横山社長)
 
 食品スーパー業界は、「今年何があってもおかしくない」と言われるほど再編統合は加速していくものと見られている。新年名刺交換会の熱気は、アークスがその主役になることをあらためて予感させるものだった。


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