イオン北海道が今年度から出店するコンビニエンスストアと同規模の小型スーパー1号店が、札幌市北区麻生地区になりそうだ。札幌の都心部では食品スーパーが住宅地の近くにない空白地域がある。高齢化が進み郊外のショッピングセンター(SC)よりも都心の歩いていける距離の店舗で買い物をしたいというニーズが今後高まってくるとみて、イオン北海道は1~2年でこうした小型スーパーを60店舗、2014年度中に100店舗を目指す。
 
 イオン北海道は郊外に立地する大型SCを道内28ヵ所で展開、食品スーパーとホームセンターを合体したスーパーセンターも三笠市、石狩市、札幌市手稲区の3ヵ所で運営している。しかしここ数年は、いずれの業態でも新規出店をしていない。
 
 このためイオンの他のグループで展開していると小型スーパー「まいばすけっと」の業態運営ノウハウを導入、札幌市内で展開することを決めている。
 
「まいばすけっと」の店舗面積は170~330㎡でコンビニと同じ規模。イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」を中心にナショナルブランド品よりも低価格であることをアピールし1店舗当たりの年間売上高を2億円程度としたい意向。
 
 イオン北海道ではまず今年度中に1号店を出店する考えだが、複数の食品スーパーやコンサルタントなどによると、北区麻生地区で立地を検討している模様だ。麻生地区には、ダイエーや東光ストアなど食品スーパーが充実しており、コンビニも配置されているが、イオン北海道はそうした激戦区で競争力を確保する取り組みを進めていくと見られる。また、中央区への出店も進めていく。
 
 札幌市内では全国コンビニチェーンや地場のセイコーマートが5~600店舗ひしめき合っており「まいばすけっと」のニーズをどう作り上げていくかが課題。
 
 イオン北海道は3年後の14年度に100店を目指しているが、短期集中出店で都心の買い物弱者を引き付けられるかどうかに注目が集まっている。


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