「SC(ショッピングセンター)の競争はどうなっているのかも視察した。淘汰が進んでいること、非食の衣料品とか家庭用品専門チェーン店が居抜きになっているのが目立った。その中で、頑張っているSCは、3つの特徴があった。1つ目はフードコートを拡充して食に特化していること。2つ目は、VR(バーチャルリアリティ)の体験型イベントを誘致してエンターテインメント性を高めた運営をしていること。3つ目は、オンライン事業者がリアルな店舗をSCの中に出店していることだった。こうした流れは、いずれ日本の流通業でも起こってくることではないか」

「今年4月には、アマゾンのシアトル本社に行き、無人店舗のアマゾンゴーを見てきた。コンビニの1・5倍から2倍くらいの広さで、レジを使わず買い物ができる。アマゾン本社には従業員が4万人もいて、周りにコンビニもない中でアマゾンゴーがある。店内を細かく観察した。すべてのゴンドラにウエイトセンサーが付いていて、数量のカウントとカメラによる商品の識別が瞬時に行われるのは驚異的だった。しかし、日本で紹介されているように、これが生産性を上げるかとなると生産性は上がらないだろう。レジの担当者はいかなかったが、入店する際にアプリをチェックする係員が2人いたからだ。ITのチャレンジということでは非常に先端的だが、実用化、コスト、生産性で言うとまだ課題が大きいと感じた」

「アマゾンフレッシュという生鮮商品を中心とするデリバリー事業があるが、2007年にシアトルで1号店ができた。ECサイトで注文して自分の車で引き取りに行くもので10年経過しているので相当利用されていると思ったが、1時間で利用者は1人だけだった。アマゾンフレッシュは実体的にまだ機能していないことがわかった。1時間に1回のオーダーでは生鮮品の多くは不良在庫になる。アマゾンフレッシュは、話題にはなったが、実質的には成立していないようだ」

「アマゾンブックの店舗も見たが、売れ筋しか品揃えをしていない。店内のテーブルにはアマゾンエコーが置かれていた。アマゾンブックは、リアル店舗の客をECサイトに導入するためのショールームの役割を持っていると思った」(以下、次回に続く)

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