食品スーパーで大証ジャスダックに上場している帯広本拠のダイイチは、札幌市内に3店舗目を西区発寒10条のJR発寒中央駅北口にオープンさせる。営業開始は12月22日の予定。鈴木達雄副社長に、出店の狙いと札幌市内の食品スーパー市場の特徴について聞いた。(写真はダイイチ発寒中央店の出店場所)
 
――2004年7月に札幌市内1号店として八軒店(西区)を出店してから8年で3店目だが、ペースが遅いのではないか。
 
鈴木 確かにペースは遅いが、出店場所があっても入札で負けたり取得価格が高くなったりして当社の身の丈に合わないと判断して、好適地が出てくるのを待っていた。これまでに5~6ヵ所の候補地があったが、立地が良くても価格が合わなかったので見合わせていた。
3店目の出店はドミナント戦略の一環で、販売促進の効率化を図るのが目的。
 
――八軒店の出店から8年、札幌の食品スーパー市場は価格競争が一段と激しくなっている。どうみているか。
 
鈴木 8年前に比べてディスカウントする食品スーパーが増えてきて価格競争は当時と比べてかなり厳しくなっている。店舗の商圏範囲も小さくなった。
当社は旭川で8店舗展開しているが、旭川は価格競争が道内で一番激しい地域。札幌も旭川に近くなってきたと思う。
 
――3店目となる発寒中央店のコンセプトは?
 
鈴木 これまでと同じスタンダードな店を展開する。惣菜や鮮魚、精肉などに手間隙をかけ、ノントレー商品の提供などエコにも配慮しお客様が喜ぶサービスを追求していくのが当社の生きる道だ。ディスカウントに走ることは100%ない。
 
――そうは言っても消費者は価格に敏感。品質、鮮度に特化するだけでは消費者を引き付けられないのではないか。
 
鈴木 ディスカウントは、お客様の支持を受けており避けて通れないが、当社はディスカウントとは違う世界で展開している。札幌ではポイント制を導入していないので、ポイントのコストが掛かっておらず、ある意味で価格の含みがある。だから、時には過激に価格を打ち出すこともある。
 
 毎日ではないが、ひと月の2~3回は過激な価格を出している。ディスカウントとは違う世界だが、おとなしいだけではやっていけないことも分かっている。当社の戦略に固定観念はない。その都度変化させている。
 
――札幌の2店舗の売り上げの状況はどうか。
 
鈴木 八軒店と白石神社前店の2店で年間50億円の売り上げがある。札幌の2店が稼ぎ出す利益は、旭川の8店が出す利益よりも上回っている。
 
――3店目の発寒中央店はどの程度の売り上げを目指すのか。従業員は新規採用するのか。
 
鈴木 20億円からスタートさせる。従業員は基本的に札幌の2店で育った人材を投入する。足りない部分は帯広、旭川から補充する。
 当社は、価格競争の激しい旭川で30年以上、店舗展開しており低価格競争の訓練は十分に出来ている。
 
鈴木 八軒、白石神社の2店は自社物件だが、発寒中央店はエムジーリースのリースバック物件。初期投資に費用がかかり投資回収にも時間がかかりすぎるので、
これからはリースバック物件で札幌市内の店舗を増やしていく。

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