イオン北海道(本社・札幌市白石区)は、ウイングベイ小樽を所有運営する小樽ベイシティ開発(小樽市)に対する貸付債権と敷金保証金の返還請求権を、企業再生ファンドとして多くの実績を持つルネッサンスキャピタル(東京都千代田区)に5日付で売却する。売却額は非開示。パーク大好きとスーパービバホーム小樽 011(写真は、ウイングベイ小樽)

 イオン北海道と小樽ベイシティ開発は、特定調停手続きにより2008年4月1日に中間合意、イオン北海道が保有する小樽ベイシティ開発への貸付債権と敷金保証金返還請求権の弁済期限を08年7月末に定めた。しかし、弁済は行われず、イオン北海道は小樽ベイシティ開発へのテナント賃料を相殺することで債権回収を進めてきた経緯がある。ただ、現在も全額回収には至っていない。

 今回、ルネッサンスキャピタルが小樽ベイシティ開発のスポンサーとして施設の再生を図ることになり、イオン北海道が持つ債権買い取りの打診があったため再生に協力することを決め、債権を売却することにした。これによって特定調停で決定した弁済が履行されることになる。
 
 売却する債権は、敷金保証金の返還請求権59億300万円と貸付債権129億1200万円の合計188億1500万円。このうち、貸付債権はイオン北海道がこの債権を買い取った時の実際の取得価格で帳簿に計上しており、現在は回収額がこの取得価格を上回っているため貸付債権の帳簿価格は0円になっている。

 イオン北海道は敷金保証金の返還請求権について、回収が見込まれる金額を除いて既に貸倒引当金を計上している。債権の売却でこの貸倒引当金が税務上の損金扱いになるため今期の税負担額は約15億円軽減、純利益の上振れ要因になる見通し。


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