2014年、北海道で一挙7店舗の大量出店をしたディスカウントストア(DS)の「スーパーセンタートライアル」。その後、新たな出店はなく道内でのトライアルブームは落ち着いたが、ここにきて再び旋風が巻き起こる可能性が出て来た。照準はズバリ2019年10月の消費増税。そのタイミングに向けて攻勢を仕掛けてくるのかどうか、道内の食品スーパー(SM)業界は警戒感を強めている。IMG_0266(写真は、2014年10月1日にオープンしたスーパーセンタートライアル岩見沢店)

 旧カウボーイと提携して2008年に北海道に進出したDSのトライアルカンパニー(本社・福岡市東区)。その後、旧カウボーイを吸収合併、カウボーイ店舗を衣替えして出店を続けたが、道内での存在感はそれほど大きくはなかった。
 
 しかし、2014年4月に消費税が8%になったのを捉えて、同年7月以降、怒涛の大量出店を重ねたことで道民の認知度は一挙に高まった。当時の出店ペースを振り返ってみると――7月24日「苫小牧東店」(苫小牧市)、同月29日「千歳清流店」(千歳市)、8月27日「登別栄町店」(登別市)、9月23日「手稲星置店」(札幌市手稲区)、10月1日「岩見沢店」(岩見沢市)、同月15日「北見中ノ島店」(北見市)、同月22日「釧路川端店」(釧路市)――と出店ペースは業界の常識を超えている。
 
 いずれの店舗も同一フォーマットで、店舗面積約1000坪、食品、ドラッグ、日用雑貨などをコンパクトに配置した小型のスーパーセンター(SUC)というフロアの構成。地域の消費者を低価格で引き込み、ワンストップで買い物需要を喚起するMD(マーチャンダイジング=商品政策)を採用している。

 こうした大量出店は、低価格志向の強い消費者の取り込みに効果を発揮したが、2年目以降になると売上げは伸び悩み、消費者のストアロイヤルティも十分に浸透しているとは言い難い状況になった。

 そんな中、3年ぶりの新店「スーパーセンタートライアル恵庭島松店」(恵庭市)の計画が明らかになると道内SM業界にどよめきが走った。「再び始まる大量出店の号砲」という声や「1店舗どまりで出店は続かない」という声など受け止めは様々だ。

 トライアルカンパニーが、最も効果的な出店地とみているのが帯広圏。ここには本格的なDS業態の店舗がないため、出店すれば消費者を引き付けることが可能とみているためだ。出店の噂は以前から出ていたが、「恵庭島松店」が本決まりとなったことで「次は、帯広では」という声は強まっている。

 14年の大量出店は、消費増税後で、増税前の駆け込み需要は取り込めなかったトライアルカンパニー。今度は19年10月の増税前から仕掛けてくるのかどうか、食品スーパー業界は水鳥の羽音にも驚くような状況になってきた。



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