アークス(本社・札幌市中央区)子会社のラルズ(同・同)が2月に承継した丸しめ志賀商店(同・余市郡余市町)の「スーパーチェーンシガ」の運営が軌道に乗ってきた。3月からシステム統合と売場の活性化を実施してきたが、下期は1店舗の改装を予定、今期中に店舗赤字を解消する。IMG_6819(写真は、ラルズが運営する札幌市中央区のスーパーチェーンシガ伏見店)

 ラルズは、かつて共同仕入れ会社北海道シジシー(本社・札幌市豊平区)の仲間だった丸しめ志賀商店との競合を避けるため、小樽・余市地区には出店していなかった。丸しめ志賀商店が北海道シジシーを脱退後も、進出のチャンスはあったが、アークス横山清社長は小樽市と札幌市の境界に近い桂岡店(小樽市)以西に出店することはなかった。
 
 その後、丸しめ志賀商店は、商品不足などから売上げが低迷、卸売スーパー(本社・札幌市手稲区)との提携も浮上したが、今年に入ってアークスに店舗譲渡を持ち掛け、札幌圏が地盤のラルズが2月5日に「スーパーチェーンシガ」13店舗を承継した。
 
 シガの店舗は、毎年売上高が10%ずつダウンしており、ラルズが引き継いだ時も店舗赤字の状態。発注のシステムやレジの機械などをすべて変えるとともに余市町の旧丸しめ志賀商店本部にラルズの後志地区本部を新設、ラルズ中核部隊が移籍して運営系のテコ入れを行っている。
 
 札幌圏はいち早くシステムや売場を変えたので前年比100%に戻ったが、小樽、余市の店舗も7月から回復。上期は赤字になるが、下期は赤字を解消できる見通しで、通期ではほぼ赤字解消にメドがつきそう。
 
 ラルズの猫宮一久社長は、「従業員のモチベーションもかなり良くなり、オペレーションも維持できるようになってきたので運営は軌道に乗った。下期に1店舗を改装するが、余市の4店舗に関しては小型店なので、できればスクラップ&ビルドで中・大型化して集約する方向で検討したい」と話す。
 さらに、「現状は年商70億円ほどだが、後志地区だけで100億円に引き上げる。これまで当社が手を付けていなかった地域なので可能だ」と強気の姿勢を見せている。



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