アークスは、3月に次世代ITシステムを導入、9月から本格稼動させる。商品調達を含めて一括管理によってアークス傘下7社の機動力をより高めていく。当面の投資は15億円になる。


同社のITシステムは、これまで各社各店舗の売上げ実績等についてのデータはパソコン端末からアクセスできていた。
今回の次世代システムは、単品の収益計算や数量を瞬時に把握できるようにする。また自動発注についてもシステムに組み込む考え。「自動発注は簡単にシステム構築ができると言われているが、形だけの自動発注なら確かにそうだが、我々が求めているのはちょっと違う形の自動発注になる」と横山清社長は言う。
同社は給与計算や事務部門についてのシステムはeアークスとして共通化システムにしているが、こうした商品調達を含めたシステムは各社がそれぞれ対応しているのが現状。今回の次世代システムでは傘下7社のシステムを統合してさらにグレードアップするもの。
メーンフレームは富士通のシステムで初期投資は15億円。この投資額について社長の横山さんはこう言う。
「金をかけないで節約と言っても目先の節約のために将来のチャンスを失ってはまずいので、厳しいけれども投資を決めた」
IT化のメリットは大きいが、社内でそのシステムを使いこなすだけの体制が整備されていなければ宝の箱もただのゴミの箱になってしまうだけ。
アークスは、次世代システムへの以降を昨年中に行う予定だったが、社内環境の整備等に時間が掛かったことに加えて、消費環境が激変、低価格競争が激しくなってきたために投資と導入のタイミングを見計らっていた。
次世代システムの導入で仕入れや販売の一元管理が可能になるため、持ち株会社から7社の合併へ進むことも考えられるが横山さんは持ち株会社のメリットをこう強調する。
「タコ足のように7社のスーパーを展開しているので、『一緒にすればもっとメリットが出てくるでしょう』という声も聞こえてくるが、もちろんそういうメリットもあるが地域ごとのドミナント展開というのは意外に大きな効果がある。それぞれの地域の子会社が経営をしていくうえでヒト、モノ、カネが動けるようにしておかなければならない」
次世代システムは7社合併の布石ではなく、むしろ7社の力がさらに発揮しやすい環境を整えるためのツールという位置づけになりそうだ。
(写真はアークス横山清社長)

この記事は参考になりましたか?