ファミリーマート(本社・東京都豊島区)は、北海道での事業展開を3月1日から本社直轄にする。これまで現地子会社の北海道ファミリーマート(同・札幌市中央区)が道内展開を行ってきたが、本社直轄にすることで店舗運営力や商品開発力を強化、出遅れている北海道での出店を強化する。IMG_1693IMG_1686(写真は、セブン―イレブン店舗(東区の札幌本町1条店)になる旧ファミリーマート店舗=上とファミリーマート新店建設現場(豊平区福住3条6丁目店)の近くあるオーナー募集の看板)

 ファミリーマートは、最後発で進出した北海道で、当初は道内最大手の地場コンビニ、セイコーマート(本社・札幌市中央区)の関連会社セイコーフレッシュフーズ(同・同市白石区)と合弁会社「北海道ファミリーマート」を2006年に設立してフランチャイズ(FC)出店や商品配送・調達を行ってきた。
 しかし、昨年ファミリーマートがユニーグループ・ホールディングス(同・愛知県稲沢市)と経営統合に向けて動くなど環境変化があったことなどから、昨年3月に合弁を解消、北海道ファミリーマートは昨年7月からファミリーマートの完全子会社になっていた。
 
 厳しい環境の北海道で事業展開を進めるには、安定した経営基盤が必要でスピーディーな意思決定も不可欠としてファミリーマートは3月1日付で北海道ファミリーマートを会社分割の方法によって承継することを決めた。
 承継する資産は、流動資産と固定資産合計15億6400万円、負債は流動負債と固定負債合計14億6800万円(2015年12月31日現在)。事実上は吸収合併と見られるが法人としての北海道ファミリーマートは残り、清算へ移行するものと見られる。なお資本金は1億2500万円。
 
 ファミリーマートの道内展開は、昨年3月の合弁解消以来、事実上凍結状態。店舗数46店舗で昨年から変化がない。一方で、セイコーマートやセブンーイレブン・ジャパン(本社・東京都千代田区)、ローソン(同・東京都品川区)は出店を加速させている。写真のようにかつてのファミリーマート店舗だった跡にセブンーイレブンが出店するケースも出ている。
 
 ファミリーマートは、コープさっぽろと業務提携に向けた基本合意を締結するなど本社直轄体制の移行に応じた基盤強化にも布石を打っており、北海道の仕切り直しでどれだけ巻き返しが図れるのか、コンビニ各社や道内食品スーパー各社は注視している。
 
■道内コンビニ店舗数(ローソンは2015年2月末現在、他は同年12月末現在)
・セイコーマート 1084店舗
・セブン―イレブン 937店舗
・ローソン 619店舗
・サンクス 188店舗
・ファミリーマート 46店舗
(参考)・まいばすけっと 34店舗



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