マックスバリュ北海道が展開している食品スーパー『ザ・ビッグ』の激安価格は、周辺の食品スーパーの脅威となっているが、ついにこの『ザ・ビッグ』に対抗する店が出現する。ラルズが展開する『ビッグハウス』がそれで、まず江別市の元江別店で10月1日から実験を始める。激安戦争は、さらに超激安化に入ることになり、食品スーパー業界はいよいよ最終消耗戦とも言える段階に突入する。


『ザ・ビッグ』は、マックスバリュ北海道が仕掛けた激安店舗。デフレと消費低迷で、食品スーパーは低価格化を強いられているが、『ザ・ビッグ』はさらに価格を下げ、消費者を価格で呼び込む戦略的な店舗だ。
マックスバリュ北海道は、既存店舗の底上げを図る目的でリフレッシュ作戦を展開。小幅改装を「リフレッシュV」、地下鉄駅に直結したターミナル店の改装を「リフレッシュT」、そして『ザ・ビッグ』への転換を「リフレッシュD」と名づけている。
「リフレッシュD」は、起死回生を狙ったもので、赤字店舗がその対象になっているようだ。これまでに平岸、栄町、岩見沢、江別が『ザ・ビッグ』に改装された。
激安価格は、周辺のライバル食品スーパーだけでなくマックスバリュ北海道が展開する店舗や親会社であるイオン北海道の店舗にも影響を与えている。
イオン北海道によると、「例えば『ザ・ビッグ江別店』は、我々が運営する『ポスフール江別店』に影響があるし、『ザ・ビッグ岩見沢店』も三笠のイオンスーパーセンターにも影響している」と言う。
業界関係者によると、「とてもあの価格には対抗できない。赤字覚悟の店舗運営が長続きするとは思えない」と一過性を強調するが、別の関係者は、「平岸は黒字になっているのではないか。他の店でも赤字は減ってきているようだし、チャラになるだけでも脅威だ」と語る。
その『ザ・ビッグ』に対抗する実験店舗が、『ビッグハウス元江別店』。如何にして激安化を実現するのか。ラルズによると、「商品ロスを少なくして原価低減も徹底、これらの精度を上げれば激安価格は可能だ」と宣戦布告。10月1日からの実施に向けて一時閉店してリニューアルしたうえで戦闘体制に入る。
激安戦争にディープインパクトを与える江別の戦いが始まる。

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