創業43年、富山睦浩現会長(67)が一代で育て上げてきた東証1部上場のサッポロドラッグストアー(本社・札幌市北区)。その社長に弱冠38歳の長男、浩樹氏(38)が就任した。変化が激しく時代の転換期でもある中、若さを武器に同社を新たなステージに向け発展させていくのが役割だ。ドラッグストア、調剤薬局事業に次いで柱に据えるのが北海道のリージョナルカードと位置づけるEZOCA事業。それぞれの事業をどう成長させていくのか、新社長の抱負を聞いた。IMG_6057(写真は、富山浩樹社長)
 
 ――今年5月に社長に就任されましたが、抱負をお聞かせください。
 
 富山 非常に変化の激しい時代ですから精一杯頑張ります。こうして社長交代させていただきましたが、団塊の世代の方から我々と同じような世代にトップ交代する例も多く、社会情勢も含めて転換期であると思っています。そうした新しい時代の中で生き残るため、新たなステージに行くことが私の役割。重責を感じると同時にワクワクもしています。
 
 ――現在、38歳で9月には39歳ですが、実父の前社長(現会長)からずっと帝王学を学ばれたうえでの登板ですね。
 
 富山 前社長も代表権を持って会長になりましたし、副社長(実母)も続投して取締役も皆さんベテラン揃い。私は営業本部長をしていましたが、高田裕が営業本部長に就き、3常務3本部長体制にしましたので役員陣を含め一致団結して事業ができるようになりました。会長が元気なうちにこうした体制になったことは、私としても当社としても良いこと。こんな体制を敷けるのも当社の強みになっていくのではないでしょうか。親子の関係などで苦戦している企業もありますが、当社は喧々諤々の議論ができる体制になっていると思います。
 
 ――代表権のある社長と会長の役割分担はどのようになっているのでしょうか。
 
 富山 どちらも経営全般を担当しますが会長は外部にウエートを置き、私が社内的な経営全般を担います。
会長の地域や業界での人脈は当社の武器ですし、私は私で違った業界や会長の世代とは違うところでの人脈づくりがここ5年間でできたと思っています。道内外の若手経営者と知遇を得ていますし、会長の人脈と合わせると幅広い世代と繋がりができています。当社のように親子で外に向けてフットワーク良く出て行く企業はあまりないのでは…。
 
 ――お母様である副社長は経営者としてどういう存在ですか。
 
 富山 関所ですね(笑)。管理本部長の高野(徹朗)常務もいますので二人三脚で管理面、財務面を見ています。そういうバランスがうまく機能していると思います。
 
 ――経営者として大切にしたいこと、していることなどはありますか。
 
 富山 会長もよく『企業は人』と言っていますが、私もここ数年、経営に携わる中でそれは身に染みて実感しており、『人が育つ会社』にしたいと思っています。現在、当社の社員の平均年齢は32・4歳位で若い。ここ2、3年は新入社員の採用も増やしているのでさらに若い人材が多くなっています。これから20年、30年と一緒に働いていく人材が多く、逆に40代、50代が少ない。経験不足の面はありますが、社内で育っていけば5年後、10年後は非常に強い会社になるのではないか。
 先輩方を見ていると、すごく活躍する人とそうでない人がいます。その差は経験があっても変化についていけないという部分が大きいと思っています。ずっと活躍し続けるような人材を育てていける企業にしたい。あと、大切にしているのは謙虚さですね。『自分はこうだ』という面が強いと(社員は)なかなかついて行けなくなるのかなと思っています。
  
 ――座右の銘はありますか?
 
 富山 ウォルマートの創業者、サム・ウォルトンが言った『素晴らしい仕事があるのではない。素晴らしく仕事をする方法がある』という言葉です。私は社長の息子という立場で生まれましたが、環境の違いは誰でもあるので、どういう生き方をしていくのかが大切。やりがいのある仕事は外から来るのではなく、その人次第という意味でサム・ウォルトンは言っていますが、本当にそうだなと実感しています。
 
 ――ドラッグストア業界の競争が激しくなっています。3年先、5年先にドラッグストア事業をどう成長させていきますか。
 
 富山 道産子カードのEZOCA事業も含めて北海道という地域でどうお客様との密度を高めていくかというのが、経営の一番柱のテーマになってくると思っています。1つには店舗をもってチェーンストアとして成長していかなければいけない。お客様の近くで人口が減っても収益が出せる体制、店づくりが大事。お客様の近くに出店してリアルに距離を縮めていく地域密着とお客様の生活の中での密着度を高めていく2つの方向があります。ドラックストア業界と他のスーパー業界などとの垣根は、どんどんなくなっていてドラッグストアの定義もあってないようなものだと思っています。いかに生活密着店として便利なお店を作れるかにかかっていくと思います。その核がヘルス&ビューティー。実際にそういう店づくりを目指しています。
 

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