日本チェーンストア協会北海道支部は19日、札幌市内のホテル札幌ガーデンパレスで講演会と新年交礼会を開催した。講演会では福岡地所の関連会社、福岡リアルティの松雪恵津男社長が『ダイナミックに成熟する街 福岡』と題して講演、その後の懇親会では約120人が参加、新年のスタートを祝った。IMG_2577(写真は、チェーンストア協会道支部の新年交礼会で挨拶する出戸信成支部長)
 
 講演で松雪社長が福岡市の経済的な特徴として語った要旨は次の通り。①15~29歳の若者比率が19・2%と高い②開業率が4・1%で政令市のトップで、アベノミクスの国家戦略特区としてグローバル創業特区に認定され2018年までに開業率を13%に引き上げ、年間新規雇用者数20万人とする③国際コンベンション開催件数は12年で252回、東京都に次ぐ全国2位。18年までに300回に引き上げる④福岡はアジアのゲートウェイでインバウンドが増加。9割が東アジア。そのうち6割が韓国人観光客――など。
 
 松雪氏は続いて、地域特化型のJリート(不動産投資信託)として地元の経済界の出資で設立された福岡リート投資法人について紹介、「このリートが設立されたのは、福岡ドームのリート化で外資系に取得されてしまったことに端を発する。それを機に地元の財産は地元で守ろうと経済界が結束して地域特化型リートが誕生した」と語った。なお、現在、福岡ドームはソフトバンクが所有している。福岡リート投資法人の現在の総資産は1670億円、賃貸面積は47万㎡。松雪氏は、「福岡で出来ることは札幌でもできる。地域特化型のリートの可能性は高い」と述べ、老健施設などのヘルスケアリートを含めた札幌リート投資法人の設立に期待感を示した。
 
 講演会後に会場を移して懇親会が行われ、冒頭にチェーンストア協会北海道支部長の出戸信成マックスバリュ北海道社長が、「昨年は消費増税や人手不足など変化の激しい1年だった。札幌とそれ以外の地域の変化の差も顕著だった。しかし、こうした変化はチャンスでもある。知恵を出し合って北海道が元気になるように協会活動も活発にしたい」と挨拶。
 
 続いて秋庭英人道経済産業局長が、免税店制度などインバウンド消費を捕まえる工夫と従業員の所得好転で消費喚起を訴えた。その後、井上淳チェーンストア協会専務理事が乾杯の音頭を取り歓談に入り、午後6時半に散会した。
IMG_2561(写真は、福岡リアルティ社長松雪恵津男氏の講演)


この記事は参考になりましたか?