北海道新幹線の札幌延伸が6月末に認可決定されたが、延伸に向けた誘致活動に取り組んできた商工会議所関係者や沿線自治体関係者などがそれぞれの活動の思い出を綴った冊子が8月初旬に北海道新幹線建設促進期成会から発刊された。札幌延伸に汗を流した苦労話など誘致活動の現場を、いわば“自分史”のスタイルで書いてもらい冊子に仕上げたもので、公式記録というよりも北海道新幹線の「民衆記録」とも言えそう。(写真は、110人がそれぞれの思い出を寄せた冊子)
 
 冊子のタイトルは、「北海道新幹線『札幌延伸』へのあゆみ」。札幌商工会議所の布施光章副会頭が編集委員長を務めた。平成17年度以降の誘致活動にスポットを当て、今年六月二十九日の認可決定に至るまで年度ごとの国や道の動きと共に期成会の動きを年表としてまとめ、それぞれの年度でビラ配りや署名活動に奔走した商工会議所職員や札幌延伸に向けた総決起大会街頭行進に参加したミスさっぽろなどが当時の思い出を寄せている。
 
 また、中央陳情を重ねた沿線自治体の首長なども登場。冊子に掲載されたのは110人で一律400字以内にコンパクトにまとめられているので読みやすい冊子になっている。
 
 札商の高向巌会頭は、「これを読めば、札幌延伸に向けてこんなことがあったんだなと全貌がわかる。現場で本当に苦労した人たちが、歴史の中で埋もれてしまうのは残念なので、冊子で残そうと。それぞれの人がどういう役割を果たしたのかが分かり良い記念になるだろう。私も読んでみて現場で運動した人や沿線市町村の人たちは、本当に苦労したんだということが良く分かった」と述べている。
 B5版、82ページ。


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