北海道新幹線建設促進札幌圏期成会の2017年度定時総会が19日、札幌市中央区の札幌パークホテルで開催された。約100人の会員が出席し16年度事業報告と収支決算、17年度事業計画案と収支予算案が審議された。IMG_5287(写真は、期成会定時総会で挨拶する岩田圭剛会長)

 昨年11月の高向巌・札幌商工会議所会頭の退任に伴い、新会頭に就任した岩田圭剛・岩田地崎建設社長が期成会新会長を務めることになった。
 岩田会長は、「北海道新幹線開業から1年が経ち、開業効果の更なる拡大と全道への波及、閑散期の利用対策などオール北海道で取り組むことが求められている。2030年度末の札幌開業に向け今年度からいよいよ札幌での建設工事が動き始める。期成会は1日も早い開業が実現するよう地元機運の向上を図り要請活動にも取り組む」と挨拶した。

 来賓として出席したJR北海道の小山俊幸常務総合企画本部長は、「北海道新幹線開業1年の利用実績は1日平均6300人で前年の1・6倍。今年は開業2年目で北海道新幹線の真価が問われる1年になる。地域の皆様と連携して観光開発を進め、旅行需要創出に取り組み新幹線開業効果を北海道全体に拡大させて札幌までの建設が促進されるように努めたい」と挨拶した。

 その後、情報提供として北海道新聞社経済部の勝木晃之郎デスクがKDDIの協力を得てスマートフォン利用者の位置情報ビッグデータを利用した新幹線利用者の動向分析を紹介したほか、鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部・北海道新幹線建設局の小川淳次長が新函館北斗から札幌間の建設状況を報告した。
 小川氏は、「新函館北斗と札幌間の211㎞は、工期のかかるトンネルから発注しており、現在20件のトンネル工事の契約ができている。延長距離93㎞区間が契約済みで全211㎞の44%、トンネル区間161㎞の58%に相当する。今年度は札幌市内の手稲トンネル富岡工区を含み9件の工事発注を計画している」と述べた。

 なお、今年6月の土木学会総会で北海道新幹線の開業が土木技術の発展と社会の発展に寄与したプロジェクトと評価され、学会賞を受賞したことも小川氏から報告された。 


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