空知信金非常勤理事に国井美佐ゲート代表取締役が就任

金融

 空知信用金庫(本店・岩見沢市)の非常勤理事に広報伴走支援企業、ゲート(本社・札幌市中央区)の国井美佐代表取締役(40)が就任した。空知信金は、2026年度で101年目を迎えるが女性理事は初めてで、40歳という年齢での理事就任も初めて。2026年6月19日開催の同金庫総代会で決定した。国井理事に理事就任の経緯や金庫内で果たす役割について聞いた。<くにい・みさ>…1985年10月、名古屋市生まれ。大学卒業まで名古屋で過ごし、アナウンサー志望で内定を最初に受けたHTBに入社。アナウンサーとして在籍。結婚、子育てで産休、育休後に復帰を志向したが、2020年2月に実父が名古屋市で設立していたホームページ制作やイベント関連のゲート入社。2022年4月に2代目代表取締役に就任、本社を札幌市に移し、名古屋オフィスと2拠点で事業展開をしている。メインの事業は広報伴走で、社長の「右腕広報」を目指し、ビジョンやパーパスを理解した上での広報企画、運営、表現、発信までを一貫して行っている。

 ――空知信金との出合いは。

 国井 月形町主催の起業支援プログラム「ツキビズキャンブ」で私が審査員をしたことがきっかけです。空知信金は「ツキビズキャンプ」のサポーターで、金融機関の目線でキャンプ参加者の方々にアドバイスをされていて、そこで空知信金の担当者の方と知り合いました。2年ほど前のことです。
 それ以来、交流が続いて、2025年5月に私が代表取締役を務めるゲートと空知信金との間で包括連携協定を締結しました。空知信金としても今後の生き残りのためには、広報体制をしっかりと構築しようという思いがあったのだと思います。

 ――包括連携協定締結後の取り組みには、どういうものがありますか。

 国井 2026年3月に「アトツギフォーラム」を札幌市内で連携して開催、約80人が参加しました。信金の課題は、取引先の企業や店舗などの経営者の高齢化に伴って、跡継ぎをどうするかということです。跡継ぎがいなければ場合によっては金庫が見つけて、事業承継の橋渡しが必要ですし、子息やその企業の人たちが跡継ぎになったとしても、経営をどう学んでいくかが課題です。信金は、常時こうした悩みや相談を受けているので、今回の「アトツギフォーラム」の開催に繋がりました。実際に跡継ぎの人を呼んでトークセッションや講演をしました。

 私自身も実父が起業した会社の跡継ぎなので、跡継ぎになると覚悟を決めた瞬間など、創業者ではない跡継ぎだからこその悩み、想いの共有を図りました。また、広報セミナーも開催しています。金庫の取引先企業の商品PR方法や従業員の採用に関して、どのような企業広報が有効かなどのアドバイスを行っています。セミナーの後には、個別相談も受け付けて対応しています。

 ――非常勤理事として金庫経営に関わることになると思います。どういう役割を果たしていきますか。

  国井 私自身、背伸びをしてもお役に立てないと思うので、これまでにお聞きしている金庫の課題を金庫内外にお伝えして、解決に向けた取り組みのお手伝いをしていきたい。金庫職員の皆さんには、なぜ変わらなければならないのか、どう変わる必要があるのかを理解してもらうための伝え方が求められます。そうした役割も今後は生まれてくるのではと思っています。 

 ――空知信金の管轄区域では、一次産業が盛んです。

 国井 例えば一次産品を集めたイベントなどが管轄地域で個別に行われているなら、それらを集結していくやり方などたくさんあると思います。お客さまは、何を空知信金に求めているのかをヒヤリングした上で、より効果の高いイベントなどに組み立てていく動きに繋げたいと思います。

 ――空知信金の100年の歴史の中で、初の女性理事です。

 国井 私は、一般社団法人フェムテック北海道を立ち上げて代表理事もしています。フェムテック北海道は、女性の心と身体の健康課題を広く知ってもらうことで、より女性が自分らしく輝ける社会づくりを目指して活動をしています。金融機関を含めて企業や団体の経営戦略は、女性の活躍とイコールだと思います。女性が働きやすい環境を整えるにはどうしたらよいかなど、金庫の内外に向けて働きかけていきたい。

 ――信用金庫は銀行とどう違うのかなど、あまり知られていないところもあります。

 国井 金融機関の中で信金の特徴は何か、あるいは何ができるのかということを私なりに発信していきたいと思います。取引先のお客さまが、なぜ信金を選ぶのかなども分かりやすく言語化していきたい。私も金融の知識を学ぶ中で、分かりやすく伝えるにはどうすればよいかを金庫と一緒に考えます。金庫運営に関わらせていただくからには、お役に立たなければ意味がありませんから、私のリソースを使って解決策を考え、実行に移すことに取り組みたいですね。

 メディア目線は古巣のHTBで鍛えてもらいました。例えば、おいしいお茶なのになぜ売れないのかと悩んでいるお店があったとしたら、どうすれば売れるようになるか、差別化の糸口を一緒に見つけるようにします。そのお茶の葉が有機栽培のものであれば妊婦も飲めるなど、アピールしていくことが大切です。ご本人やそのお店では当たり前すぎて発信していないことが、実は消費者から見れば新鮮な発見だったりします。この層にはこれが響くとか、いろんな切り口がありますから、そういうものを見つけてアドバイスをしていこうと思います。

 ――ありがとうございました。

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