北洋銀行は26日、ホテル札幌ガーデンパレスで第157期定時株主総会を開いた。昨年、札幌北洋ホールディングスを子会社の北洋銀が吸収合併する“逆さ合併”で誕生した新・北洋銀の最初の総会。旧北洋銀時代から13年ぶりの北洋銀単独での開催となり、公的資金返済のための自己株取得などを決議した。総会には376人が出席、委任状を含めて3579人が参加した。(写真は、北洋銀行株主総会の受付=左と議長を務める石井純二頭取(モニター画像から)=右)
 
 前期の事業報告は例年のようにスクリーン画像にナレーションを加えて行われた。剰余金の配当は内部留保を勘案して普通株は年間3円(総額5億9800万円)、公的資金1000億円を受け入れるため整理回収機構に発行した優先株は年間7・3円(同7億3千万円)とすることを決議した。
 
 今期から返済を始める公的資金について優先株を自己株として取得する枠を設定、ファーストステップとして優先株の30%に当たる6000万株、取得総額の上限を360億円とすることも賛成多数で決議した。優先株の一部取得によって配当負担が減るため、今期は普通株を年間2円増配し5円とすることも報告された。
 
 質問した株主は1人。株価を上げる努力について問うたもので、議長を務めた石井純二頭取は、「株価は市場やグローバル経済の中で決まるものだが、北海道経済の活性化をしっかり担うことで企業価値、株主価値を高めていく。リーマンショック後に株価は下がったが、その後持ち直し、当行は銀行株平均上昇率を上回っている。昨日は333円だった」と答えた。
 
 北洋銀のPBR(株価純資産倍率)は0・42倍、PER(株価収益率)は7倍程度。「この値はやや低いので、こうした指標を見極めて企業価値向上に努めていきたい」とした。
 
 取締役任期は1年のため再任13人と新任の豊岡孝章・業務管理部長(56)が選任され、4年の任期満了を迎えた監査役嵐田昇氏(65)の再任と新たに下村幸弘・常務執行役員(56)を監査役に選任する人事案も決議された。総会所要時間は50分。


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