中小企業の金融円滑化法が来年3月末に切れることに伴って、会社分割などを促し債務負担を軽減するとアピールして中小企業に近づく悪名コンサルが北海道に上陸している。オホーツク沿岸の水産業者では、実際に被害を受けた中小零細企業も出ているという。財産を根こそぎ持っていかれるケースもあり、円滑化法切れを前に悪名コンサルがさらに暗躍しそうな雲行きだ。
 
 そのコンサルは、本州から昨年ころに上陸、道内で資金繰りや過大債務の解消に悩んでいる中小零細企業に近づき、再生を名目に多額のコンサル料を徴収している。
 
 金融機関と債権カットの交渉をしたり、金融機関を集めて債務の全額免除を求めたりする非弁活動も行っているという。
 
 金融円滑化法の申請については、経営コンサルが手続きを行うことは非弁活動に当たらないものの、債権カット交渉などは非弁行為とされコンサルが手を出すことはできない。
 
 オホーツク沿岸の水産業者の中には、焦げ付いた債務を回収すると語って近づいた悪名コンサルに数百万円を支払い、実際に回収できなかったケースや会社分割を薦められ300万円のコンサル料を支払ったが金融機関の債務カットに結びつかなかったケースなどの被害が出ているという。
 
 そのコンサルは、グループに弁護士や公認会計士、税理士などを抱えているというが、実際に金融機関と交渉しているのはそのコンサル。
 
 金融円滑化法は来年3月末に期限切れになるが、法的整理をして債務をゼロにしても再生できない中小零細企業が増えているとされ、出口の見えない経営環境の中、悪名コンサルの暗躍が増えていきそうだ。


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