北洋銀行の次期頭取に決まった石井純二副頭取(60)は、生粋の道産子バンカーとして4月から道内トップバンクを率いていくことになるが、北洋カラーをどんな色に染め上げていくのか注目される。副頭取として業務執行に携わってきた2年間の経験から頭取就任にも気負いは感じられない。裏表のない人柄から人脈も広く、プライベートではごく普通の家庭人だそう。石井氏の人物像をインタピューから探ってみた。(写真は、石井純二氏)
 
 石井氏は旧北海道拓殖銀行に1975年入行。支店や業務企画、融資、人事、営業企画を経験。拓銀破綻後は北洋入りして以降も業務推進、経営管理、法人部長、大通支店長、業務企画部長など幅広い経験を持つ。
 
――横内頭取はトップの6月交代を4月にしたいというのが持論だったと思う。実際に指名されたのはいつごろですか。
 
 正月明けです。横内頭取からプロパーを指名する理由や経営上の引継ぎ課題などを伺って、私に『やれ』という話がありました。
 
――ご返事は。
 
 その場でわかりましたと。不安はありましたが、副頭取になった2年前から頭取と柴田龍副頭取の3人で日常の執行を役割分担して行っていたので、そういった中での延長上という位置づけだと思いましたので。幸いなことに頭取は会長で残っていただけるし高向巌会長も相談役として相談や助言を受けられますから不安はある程度解消されます。
 
――新年度の4月から頭取に就くことになりますね。
 
 4月からの新年度に向けて今いろんな業務計画を作っている時期です。計画を作るときから一緒に入ってできるので、4月交代は(タンミングしては)良いのではないでしょうか。
 
――石井副頭取のお兄さんも拓銀だったと聞いています。
 
 5つ違いですが、もうリタイアしています。
 
――旧拓時代からの人脈の広さというものがよくメディアに書かれていますが。
 
 よく分かりません、私は。皆さんがどういう評価されているのか。ただ、道産子ということでは結構、皆さんの期待があるのかなと思います。
 
――北海道銀行の堰八義博頭取も道産子ですし、道内2銀行のトップが揃って道産子ということは、今までになかったことです。
 
 北海道で育てられて、炭鉱の衰退や200カイリ問題など、北海道の産業構造が変化してきた中で私自身は育ってきましたので、そういう経験をこれから北海道の活性化に役立てられればと思います。
 
――座右の銘とか好きな言葉は。
 
 よく聞かれますがあんまりないんです。敢えて言えば自分の今までの経験から『一意専心』です。
 
――ご夫人を3年前にがんでなくされて、今は長女と一緒に住んでおられますね。娘さんはどう仰ってますか。
 
 大変だねと。良かったねという言葉はなかったかな。
 
――普段のリフレッシュや気分転換はどうされていますか。
 
 夏場は山登りをしています。道内の山は結構登りましたね。山登りの良いところはいろんなことを忘れられるところですね。



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