北海道銀行(本店・札幌市中央区)と道銀地域総合研究所(同)は20日、道銀ビル6階会議室で「道銀・生産性革新サポートチーム」組成の記念セミナーを開催した。約40の企業・団体から約70人が参加した。IMG_5473(写真は、講演する齋藤均・道銀顧問)

 道銀・生産性革新チームは、取引先の生産性向上や働き方改革をサポートするために組成された。トヨタ自動車北海道の前取締役技術部長齋藤均氏が道銀の顧問に就任した6年ほど前から「ものづくりコンサル」と名付けて取引先の生産性向上の助言を行ってきたが、今年4月に同じくトヨタ自動車北海道の前生産部工長古明地康男氏が顧問に就任したことから2人でチームを組み、この動きを強化することにした。

 記念セミナーでは、齋藤氏が『カイゼン活動と生産性革新』と題して講演。「ものづくりコンサル」を行ってきた87社を例に、カイゼン活動の進め方やカイゼン活動で見えてきた課題、これから目指すべき姿などについて話した。
 齋藤氏は、カイゼン活動のステップとして「問題を見えるようにするには4S(整理・整頓・清掃・清潔)が必須だ。4Sによってモノの異常が見え、無駄を取り除くカイゼンの道具になる」と説明した上で、「4Sの必要性、重要性を十分に理解せず元に戻ってしまうケースが多い。4Sを仕事と思っていないのが原因。現地、現物で全ての無駄が見えるようにするためにも4Sは非常に大事だ」と述べた。

 カイゼンの具体事例として食品の消費期限など3分の1ルールについて触れ、「スーパーの惣菜などが売れなくて遅い時間に値下げをして売っているが、作り過ぎの無駄を真剣に考えないといけない。北海道は原材料調達に季節変動があり、催事イベントで売れる時と売れない時の変動も大きい。流通業は売れる量だけを作る意識をもっと持つべきだ」と訴えた。

 道銀は、8月時点で「ものづくりコンサル」の簡易診断を90社実施、その中で継続的にコンサルを行っている取引先は25社。チームの組成によってコンサル先をさらに広げていく。


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