北洋銀行は今後3ヵ年で約190ある全営業店の事務合理化を進めるために数十億円規模のIT投資を行う。3年を掛けて支店の端末とソフトをすべて入れ替えるほか、融資のペーパーレス化も実現する。北洋銀はこれまでもIT投資を継続してきたが、「遅れていた裏方部分の合理化を図り、経費削減を徹底すると共にお客様へのサービスを今まで以上に強化する」(横内龍三頭取)という。(写真は横内頭取)
 
 北洋銀は、昨年度までの3ヵ年計画で経費節減を徹底、「自分たちでできる節減対策は完了した」(横内頭取)と位置づけている。
 
 今年度から始まった中期3ヵ年計画では、仕事のやり方を見直してコストダウンを図っていくことを目指しており、IT化の推進によってコストダウンの幅をより深めていく考え。
 
 その中心になるのが営業店の事務処理合理化。これまでは、事務に応じてパソコン端末を増やしたり個別の業務に応じた端末を使うケースが多く、事務処理作業が煩雑だった。また営業店スペースも狭隘化していたのが現実。
 
 今回、3ヵ年掛けて全営業店の端末をよりパージョンアップしたものに入れ替え、システムに対応したソフトを導入して営業店業務の合理化を図っていく、
 
 さらに融資システムも効率化していく。同行の融資は営業店から本部へ稟議を上げていく過程で紙を使っている。他行では融資のペーパーレス化が進んでいるが、同行はこの分野では遅れているのが実態。
 
 このため、今後3ヵ年で融資に関わる全ての業務でペーパーレス化を実現していく考え。
 これらのIT投資は数十億円の規模になり、情報センターなどのハードを含めたIT投資を除けば過去最大規模の投資になる。
  
 横内頭取は、「営業店業務の合理化や融資のペーパーレス化は他の銀行ではどんどん取れいれており、我々は遅れている領域だ。リーマンショックが起こらなければもっと早くからIT化がスタートしていたが、問題意識はずっと持ち続けてきた。今後3ヵ年で、徹底的にIT化を進め管理コストを抑えて業務のスピードを上げたい。それがお客様へのサービス強化に繋がっていく」と狙いを語っている。


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