医療機関の診療報酬請求権「レセプト債」のデフォルト(債務不履行)問題で、同債券を個人投資家などに約13億円販売していた上光証券(本社・札幌市中央区)は、販売額の6割にあたる約8億円を昨年末までに弁済した。IMG_0786(写真は、上光証券本社)

 レセプト債のデフォルトは、医療機関から診療報酬請求権227億円分を買い取って発行していた運用会社「オプティファクター」(本社・東京都品川区)と「メディカル・リレーションズ・リミテッド」(同・同都新宿区)など4社が2015年11月に経営破綻したことにより起きた。

 上光証券は、2社が扱ったレセプト債13億2300万円分を道内313の個人、企業に販売していた。2社の破綻によって配当や償還が不能となったため、15年11月以降、販売先の個人投資家に説明、弁済への理解を求めてきた。17年3月には、札幌地方裁判所の集団調停によって販売額の6割を弁済することで大筋合意、同社は17年3月期に特別損失8億円を計上していた。

 313先のうち309先については17年3月末までに弁済したが、残る4先は決算期を跨いだものの昨年12月末までに完済した。オプティファクターなど2社の破産手続きが1月末には集結する見通しで、債権者への配当は2割程度見込まれるため、上光証券の販売先には合計8割が弁済されることになる。

 上光証券は、17年3月期の特損計上で8億7100万円の赤字を計上したが、年間4億円の純利益をコンスタントに稼ぐ経営体質のため19年3月期には黒字転換できる見込み。

 北洋銀行(本店・札幌市中央区)はグループで上光証券に11%を出資しているが、同証券がレセプト債の弁済を終えたことから、18年度の下期に株式交換により完全子会社化する。



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