道内の中小企業が加入し事業者や従業員、家族の健康保険給付などを行っている全国健康保険協会(協会けんぽ)北海道支部は9日、北洋銀行(本店・札幌市中央区)と健康づくりの推進に向けた包括的相互連携を締結した。協会けんぽは、都道府県単位で運営されており、民間企業とこうした連携を結ぶのは初めて。北洋銀行は、今後取引先企業などの健康づくりをサポート、地域活性化に繋げる。IMG_6859(写真は、協定書を持つ協会けんぽの大場支部長=右と北洋銀柴田副頭取)

 協会けんぽは、2008年に廃止された社会保険庁の政府管掌健康保険が前身。中小企業の事業主などが加入し、経営者、従業員や家族の保険給付を行っている。都道府県単位での運営を基本としているため地域の医療費に応じた保険料率が定められている。道の加入事業者は約8万5000社、被保険者は約175万人。
 
 道は医療費が多いため加入事業者が払う保険料率は10・14%(15年度)と全国で3番目に高い(最も高いのは、佐賀県の10・21%)。このため、協会けんぽ北海道支部は道庁と連携、従業員の健康に配慮した経営を進める「健康事業所宣言」の導入を進め医療費削減に繋がる取り組みを昨年10月から始めている。現在、道支部が認定した同宣言事業所は約100社。
 
 北洋銀は包括的相互連携協定を結ぶことで、協会けんぽ道支部の健康づくり推進を支援、取引先企業の健康づくりを応援することにした。また、認定を受けた企業向けに市中金利よりも0・1~0・5%低い優遇金利の事業性融資商品「ほくよう健康増進サポートローン」も用意した。
 
 この日、札幌市中央区の北洋大通センター4階のセミナールームで調印式が行われ、協会けんぽ道支部の大場久夫支部長と北洋銀の柴田龍副頭取が署名した。大場氏は、「健康事業所宣言の拡大に弾みがつくことに期待している。連携して取り組むことで地域に密着した効果的な事業展開が可能になる。共同の健康セミナーも実施したい」と話した。また、柴田氏は、「事業計画や経営計画を通じて地域の企業経営者との対話を日々行っており、企業の健康増進サポートを行っていくとともに従業員の健康に熱心な企業は一定の評価もしていきたい」と語った。
 
 全国各地の協会けんぽで地域の金融機関と連携協定を結んでいるのは16支部。他支部の連携活動を参考に北洋銀との具体的活動を進めていく。


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