日本銀行札幌支店、函館支店、釧路支店、旭川事務所は、1日に6月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、北海道全体で前回発表の3月時点より3ポイント上昇してプラス6、北海道新幹線開業で宿泊・飲食サービスはプラス38。これは3月時点と変化はないものの高いDIを維持、一方小売のDIはマイナス11で個人消費は弱含みが続いている。IMG_3683(写真は、日銀札幌支店)

 DIは、景気が良いと答えた企業から悪いと答えた企業を引いて割合を出す指数で、数値が高いとそれだけ企業の景況感が良いことを示し低いと景況感が悪いことを示す。日銀は3ヵ月に一度全国の支店などで地域の短観を発表している。  
 札幌支店が公表した6月の北海道全体の短観は、5月30日から6月30日までの期間、製造業117社、非製造業368社を対象に調査、100%の回答率を得た。
 それによると、全産業DIはプラス6で2014年9月のプラス5を21ヵ月ぶりに上回った。製造業は3月から1ポイント上昇してプラス6、非製造業は2ポイント上昇してプラス5。
 
 製造業を業種別にみると汎用・生産用・業務用機械のプラス37、輸送用機械プラス22、金属製品プラス20、木材・木製品のプラス16と好況感を持続。一方、食料品は0で3月より8ポイント低下、電気機械も0で15年9月から変化なし、窯業・土石製品も0だがこちらは3月のマイナス43から大幅改善している。
 
 非製造業でマイナスのDIだったのは、小売(マイナス11)、物品賃貸(マイナス7)、対事業所サービス(マイナス6)の3業種。小売と対事業所サービスは3月時点と変化はないが、物品賃貸は15ポイント上昇している。
 プラスは、宿泊・飲食サービス(プラス38)、情報通信(プラス26)、対個人サーピス(プラス19)、卸売(プラス8)、不動産(プラス5)、運輸・郵便(プラス3)、建設(プラス2)だった。対個人サービスが3月より25ポイントの大幅改善している点が目立つ。
 
 函館支店の道南地域短観は、製造業32社、非製造業74社を調査して100%の回答を得た。道南全産業はプラス17で3月の短観よりも8ポイントの上昇。製造業はプラス7、非製造業はプラス22で非製造業は3月よりも10ポイント上昇した。
 中でも北海道新幹線開業の影響で宿泊・飲食サービスはプラス86と3月より29ポイント上昇、新幹線効果が大きいことを示した。懸念されるのは、小売のマイナス30。昨年9月調査からDIのマイナス30が継続しており、地域の個人消費という面では改善している状況とは言えない。
 
 釧路支店の道東地域短観は全産業でプラス7となったが、3月調査よりも3ポイントの減少。製造業は窯業・土石や水産加工のDI改善でプラス9と3月より6ポイント上昇したものの非製造業はプラス8で5ポイントの減少になって全体のDIを引き下げた。ここでも卸売(マイナス13)、小売(マイナス4)の個人消費関連業種が悪く、運輸・郵便もマイナス11と3月から22ポイントの減少になっている。
 
 旭川事務所の道北地域短観は、全産業がプラス8となり3月より6ポイント改善した。ただ、製造業はプラスマイナス0で3月から18ポイント悪化、非製造業がマイナス3からプラス11となって全体を押し上げた。

 

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