北海道空港グループのセントラルリーシングシステムは、同社が保有する南3西1ビル(札幌市中央区)を学校法人北邦学園に売却した。売却額は、約4億8000万円と見られる。北海道空港は、空港民営化の流れを受けて新千歳空港の運営に前向き。グループ会社の集中と選択で財務基盤を強化する一環と見られる。(写真は、売却された南3西1ビル)
 
 南3西1ビルは、地上8階建て。新日本都市開発やカブトデコムのダミー会社と言われたローレイなどが所有してきたが、1997年1月に北海道空港のグループ会社、北海道リーシングシステム(現在のセントラルリーシングシステム)が取得していた。
 
 このビルは、同社が保有する他の土地や建物とともに共同担保として総額138億円の抵当権が設定されていた。
 
 各金融機関の抵当権額は北洋銀行14億円、三井住友銀行51億円、北海道銀行22億円、旭川信用金庫17億円、りそな銀行15億円、みちのく銀行12億円、北陸銀行5億円、小樽信用金庫1億円、商工組合中央金庫1億円。
 
 このビルが売却されたのは今年3月末で138億円の抵当権のうち解除(北洋、三井住友、北海道銀、北陸銀、小樽信金、商工組合中金)、弁済(旭川信金)、放棄(りそな銀、みちのく銀)されて抹消されている。
 
 取得したのは、学校法人北邦学園(瀬川五水理事)。札幌市清田区に本部を置き、札幌市の白石区や厚別区、北広島市で認定こども園など5ヵ所の幼稚園を運営。また、社会福祉法人「水の会」では3つの保育園と軽費老人ホームも運営している。
 
 北海道空港は、空港民営化議論が進んでいる中で、新千歳空港と他の複数空港を一括運営するバンドリングに名乗りを上げている。グループ会社の見直しによって財務基盤を強化するため不動産売却を積極化しているものと見られる。


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