苫小牧市は、デロイトトーマツコンサルティング合同会社(東京都千代田区)、OTis(苫小牧市)の協力を得て「苫小牧イノベーションマッチング2018」をきょう12日まで開催している。道内外のベンチャー(VB)企業23社が新技術、新サービスを発表し苫小牧市内の企業とのマッチングを探る場で今年が3回目。今回は、市議会の議場をプレゼンテーション会場にするなどユニークな趣向で行われている。IMG_4615(写真は、11日に苫小牧市市議会の本会議場で行われたVB経営者のプレゼン)

「苫小牧イノベーションマッチング」は、市が国の助成を受けて3年前から始めたイノベーション創出事業。人口減少、少子高齢化が進む中で市が抱える様々な問題の解決策を探るため、全国のベンチャー企業と市内企業をマッチングさせるのが目的。マッチングが成立して実証事業に移れば、市は200万円を上限にした補助金を支出する。

 参加する道内外のベンチャーは3年前が10社だったが、昨年は20社、今年は23社に増えた。市内企業とのマッチングによる実証事業に移ったのは昨年6件あった。昨年までは市民会館が会場だったが、今年は市議会本会議場がプレゼン会場になりベンチャー企業のトップが答弁壇に立って20分間、自社技術やサービスを紹介した。

 11日に登壇したベンチャー企業は、排泄予測デバイスを開発したトリプル・ダブリュー・ジャパン(東京都渋谷区)、医療介護の人材紹介サービス「ファーストナビ」を運営するファーストコネクト(札幌市中央区)、尿で栄養状態を測定できる検査サービスを開発したユカシカド(東京都渋谷区)、緊急時にSOSを発信して救命率向上を目指すアプリ「Coaido119」を開発したCoaido(東京都文京区)、微弱な電気を通した冷蔵庫で精肉の抗菌熟成や野菜・果物の鮮度保持ができる技術を開発したMARS Comany(群馬県高崎市)など。12日は、午前10時から始まり、15社がプレゼンを行う。

 苫小牧市の福原功総合政策部長は、「この取り組みは全国でも珍しく、回数を重ねるごとに注目度も高まっている。医療福祉や運輸物流、AI・IoTなど新技術、人材育成など様々なジャンルの先進的企業から直接話を聞くことができるのは貴重。良いマッチングが成立して苫小牧全体にイノベーションの機運が広がり、若者の市内での就職や産業活性化に繋がることを期待している」と話していた。
IMG_4638(写真は、主催者挨拶をする苫小牧市の福原功総合政策部長)


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