北海道の若手経営者たちのリーダーとしての資質を高めることが目的の北海道経営未来塾(塾長・長内順一未来経営研究所社長、元ニトリ特別顧問)は25日、札幌市中央区の札幌パークホテルで第3期の入塾式を行った。今期は1期生、2期生から希望者を募って開講するもので35人が参加。今後1年間にわたって国内を代表する経営者の講話や企業訪問、研修旅行などを実施する。IMG_3572(写真は、北海道経営未来塾第3期に入塾した塾生たち)
IMG_3585(写真は、塾生代表として挨拶する第3期塾頭の萌福祉サービス社長・水戸康智氏)

 北海道経営未来塾は、長内氏が北海道から第2のニトリやアインのような国内を代表する企業を育てようと提唱した経営塾で、運営は北海道商工会議所連合会、札幌商工会議所、北洋銀行、北海道銀行、未来経営研究所で組織する実行委員会が行う。札幌市も後援しており、産官で道内から国内、世界を目指す企業経営者を育てていく取り組み。

 3期目となる今回は、塾生の新規募集は行わず、1期、2期生から希望者を募り、これまでの学びを行動に移してもらうことを目的にしている。既に塾生の中には講師役になった経営者を訪問して新規事業などアライアンスを組む動きも出ており、3期はこうした具体的行動を後押しするカリキュラムを組むことにしている。

 入塾式では、長内塾長が代理出席した5人を含む35人に入塾証書を授与して、「第3期が始まるが新たな決意、新たな覚悟、新たな意思で今日からスタートを切って欲しい。自分と未来は変えられる。理想と使命と責任を自覚することによって成長の芽は急速に伸びていく」と挨拶した。

 続いて来賓の札幌市長・秋元克広氏が登壇、「国内、世界を目指して北海道経済を担う経営者に育って欲しい。自分は何をすべきかを知ることが一番重要だ」と話した。道商連・札商会頭の岩田圭剛氏は、「現在のことをプレゼントと言うが、まさには万人平等に与えられた贈り物。この贈り物である今日を未来に向かってどう生きるかが大変重要だ。皆さんが愚直に進化し続ける経営者になり、北海道経済を支えていく役目を担ってほしい」と語った。
 
 北洋銀会長の石井純二氏は、中国の古典、孫氏の一節を紹介し、「リーダーには、“智・信・仁・勇・厳”の5つの資質が必要だ。つまり、本質を見極める知恵、誠実さに基づく信頼、力や地位ではなく人徳による求心力、難局に立ち向かう勇気、ルールを守り秩序を維持する厳しさ――この5つのことにさらに磨きをかけてほしい」とエールを贈った。
 道銀頭取の笹原晶博頭取は、「ビジネス環境は不連続、断絶の時代に入っている。これまでの経験の延長線上に必ずしも未来の成長はない。3期目の塾がブレークスルーの機会になることを期待している」とビデオメッセージを届けた。

 塾生を代表して第3期塾頭を務める萌福祉サービス社長の水戸康智氏は、「第3期は未来塾の成果が試される時だ。未来塾への期待と熱意に1年間の学びを通して自身の成長、企業の成長で応えたい」と決意を表明していた。

 その後、オリエンテーションに次いで塾生一人ひとりが5分間のスピーチを行い、経営する企業の紹介や3期に賭ける思いについて語った。企業や自分自身にきちんと向き合って自らの言葉で話す姿が印象的だった。
 なお、3期では新たに①海外研修②企業訪問③上場推進の3つの分科会も設置してさらに活動に厚みを持たせることにしている。


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