札幌の大通公園に面する新大通ビルディング(大通西4)に空きフロアが目立っている。商工中金札幌支店が3月に札幌フコク生命越山ビル(北2西3)に移転したことにより1~3階が空室となったほか、旧札幌銀行本部があった北洋銀行所有分がまるまる空いているためだ。大通公園周辺ではこれからイベントが目白押し。札幌のメーンストリートに面するビルに“顔”がない状況はいつまで続くのか。IMG_2816(写真は、1階を含め空きフロアが多い新大通ビルディング)

 地下2階10階建ての新大通ビルディングは1979年に竣工したビル。大まかに言うと東半分が平和不動産(本社・東京都中央区)、西半分が北洋銀行(本部・札幌市中央区)の所有。平和不動産の持ち分の内、1階を含む3階までを商工中金が使っていたため移転により現在は空きフロア。

 北洋銀行の持ち分は、もともとは合併した旧札幌銀行本部として使われていた。合併後は北洋銀札幌事業部として利用されたが、その事業部は本店に集約され、空きフロアに。その後、札幌信用金庫(本店・札幌市中央区)が本店建て替えのため一部を使用していたが、昨年5月の新本店完成とともに退去。現在は、北海道経済同友会が4階の一部を使用しているのみで1~10階は殆どが空き状態。

 空きフロアが埋まらないのには金融機関固有の事情がある。というのは、金融機関が所有するビルやフロアは売却しようとすれば可能だが、貸す場合は他の金融機関や公共的利用に制限されているからだ。おいそれと売却先は決まらないし貸し先もそうそうあるものではない。

 そんな理由から1階を含めて表情のないビルになってしまっているという訳。都心のビルの1階は、ショールームとして街の個性を形作る役割を担っているだけに、所有者はもちろん街を歩く市民もヤキモキしている。「顔のない1階」はいつまで続くのか?
 なお、北洋銀行は旧本店があった北洋ビル(大通西3)の1~4階も所有しているが、こちらも空きフロアが続いている。



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