新札幌駅周辺の旧市営住宅地跡地約5・5haを約44億円で取得することが決まった大和ハウス工業(本社・大阪市北区)を中心とする事業者グループ。現在の新札幌が形成されて以来の大変身を担うことになるが、医療施設やホテル、商業施設、マンション、大学などの誘致が予定され、文字通り札幌の副都心としてより厚みを増すことに繋がりそうだ。IMG_3500(写真は、ホテルやマンション、商業施設が予定されている新札幌駅周辺)

 旧市営住宅跡地は、地下鉄新さっぽろ駅やJR新札幌駅に近いI街区(約3・8ha)とやや離れたG街区(約1・7ha)に分かれる。市は公募提案型で2街区を一体化して開発業者を募り、最終的にイオンリテールと大和ハウスを代表とする2グループが競い合った。満点110点のところ大和ハウスが75点、イオンリテールは68点で次点になった。

 大和ハウスグループは、大和ハウスのほかに大和リース(本社・大阪市中央区)、新さっぽろ脳神経外科病院、新札幌整形外科病院、記念塔病院、北海道ファーマライズ(本社・苫小牧市)で構成され、コーディネーターとして建設コンサルティングのドーコン(同・札幌市厚別区)、大成建設(同・東京都新宿区)も参加する。北洋銀行(本店・札幌市中央区)は、プロジェクトファイナンスを受け持つ。

 I街区の東側に事業構成員の病院が建ち、遺伝子検査や遺伝子創薬など先制医療の研究施設は北海道ファーマライズが運営する。駅に近い場所には、大和リースが商業施設、大和ハウスがマンションとホテルをそれぞれ建設して運営する。商業施設は、売場面積約4500坪、年商70億円規模を計画、既存の商業施設である「新さっぽろアークシティ」と競合しない業種を誘致する。

 マンションは、地上31階建て、延べ面積約8877坪。ホテルは、地上13階建てで延べ面積約4000坪とし、建設する病院群の医療ツーリズムなどを視野に長期滞在型の「ラ・ジェント」シリーズとする。既存の「ホテルエミシア」、「新さっぽろアークシティホテル」と共存できるように配慮する。

 またG街区では、アルファコート(本社・札幌市中央区)も参加、専門学校や分譲マンション、老健施設のほか札幌学院大学の校舎などが計画されている。

 今後、基本設計や土地形状を変更する開発行為を進め、2019年秋口から着工、22年には完成する見込み。
 新札幌駅周辺は、戦前、陸軍の弾薬庫だった。戦後、この地域を譲り受けた札幌市は副都心として開発。1973年には当時の国鉄が旧千歳線の付け替えで新札幌駅を開業し77年にはサンピアザショッピングセンターがオープン、さらに82年には地下鉄東西線の新さっぽろ駅が開業して現在に繋がる姿になった。そして5年後、新札幌駅周辺は新しい時代の衣装を纏(まと)うことになる。



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