札幌証券取引所は14日、ほくやく・竹山ホールディングス(本社・札幌市中央区、HD)と宇部興産(東京本社・東京都港区、宇部本社・山口県宇部市)の個人投資家向け会社説明会を開催した。札幌市内の個人投資家ら約80人が出席、2社の業績や経営戦略に耳を傾けた。IMG_1897 (2)
IMG_1899 (2)(写真は、札証で講演するほくやく・竹山HDの眞鍋雅昭社長=上と宇部興産の藤井正幸執行役員)

 ほくやく・竹山HDは、眞鍋雅昭社長が登壇して説明。医薬品卸や医療機器卸のほか調剤薬局、介護事業、ICT事業など5つの事業で2017年3月期は連結売上高2220億円、営業利益17億5000万円になる見通しを明らかにした。
 子会社の竹山では、新規事業としてヘルスケア商品の『ECショップ たけやま・ドットコム』を近く立ち上げて一般向けに販路を広げる。現在は社員向けに試験運用している段階だが、個人の健康志向が強くなっているため初のBtoC(個人向け)市場に参入する。

 ほくやく・竹山HDは、現在道内だけで事業を展開している。眞鍋社長は「将来も道外に進出することはない」と明言。その理由として、「命と健康を守るには医薬、医療機器、調剤、介護、ICTの5つの事業を一体になって進めなければ達成できない。各事業がシナジー効果を出してコスト効率を高めて生産性も上げるには地域特化が前提条件になる。今後も北海道に根差した総合ヘルスケア企業グループとして事業を続ける」と話した。

 続いて、宇部興産の藤井正幸執行役員グループCFO・経営管理室長が事業概要や新中期経営計画について説明。16年度からスタートした新中期経営計画では化学部門の復活と更なる成長を目指して営業利益200億円台を確保、医薬品の収益構造改革と成長軌道への回帰を進めることなども紹介した。

 最終年度の18年度に売上高を15年度実績の6417億円から7500億円に、営業利益を414億円から500億円に引き上げる数値計画も示した。株主還元について「今年度は1円増配の6円配当とするが、今後も配当性向は30%以上を原則とする」(藤井室長)と述べた。


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