地域経済のビッグデータを可視化する「地域経済分析システム=RESAS(リーサス)」を活用して道内大学生が政策アイデアを提案する「北海道RESASデータ分析フォーラム」が7日、札幌市中央区のホテルニューオータニイン札幌で開催された。経済産業省北海道経済産業局と北海道銀行などが主催したもので、道内5大学の大学生が岩内町や岩見沢市など地域活性化を提言、約200人が聴講した。P1090187(写真は、道内5大学のゼミ学生が行った地方創生のプレゼンテーション)

 RESASは、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する官民のビッグデータを集約し可視化するシステムとして昨年4月から経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)が提供しているサービス。
 このシステムを使えば、地方自治体が域外で稼いでいる産業や観光客が多く訪れている場所、人口の転入・転出などが把握でき地方創生など様々な取り組みのヒントになる。
 
 札幌大学中山健一郎ゼミの学生は、『広域岩見沢市に新たな観光的魅力をつくる―滞在型観光政策―』と題して発表。岩見沢市北村地区の活性化や集客力のある北海道グリーンランドの活性化提案などを探るため、7つのチームが8月に3日間の現地合宿調査を実施、「ルスツの良さを取り込むべき」など7つの政策提言を行った。
 このプレゼンテーションに対して道銀地域総合研究所の取締役専務執行役員・浦田祥範氏は「提言は具体的に落とし込んでいるが、地域経済への効果を示すことができればさらに良かった。今後、アウトプット効果を明らかにすれば良いのでは」とコメント。
 
 また、釧路公立大学下山朗ゼミは『釧路市観光スポットの来訪者分析』をテーマに発表。増加傾向にある釧路市観光入込客数だが、市内177ヵ所の観光スポットには増加を取り込めていないスポットがあると分析。春採湖の北側スポットは南側に比べて来訪者に大きな差があるが、ポケスポットが多く存在しているため、ポケモンGOと観光スポットを融合させて新たな観光地形成を提言した。
 これに対して経済産業省地域経済産業調査室長・田岡卓晃氏は、「周遊性を持たせて経済面で潤うためには、どこに誘客すれば良いかを調べれば、より地域のニーズに合うのでは」とコメントした。

 また、北海学園大学佐藤大輔ゼミは『広尾町の質的・量的な現状分析を通じた地域活性化策の提案―サンタランドの活性化に向けて―』、小樽商科大学大津晶ゼミは『地場産業の高度化と交流人口の増加による岩内町の持続的な地域づくり戦略』、北海道教育大函館校の古地順一郎ゼミは『RESASから捉え直す北海道最古の祭り―江差町の地域経済を御神酒の地産地消で元気にする―』をそれぞれ提言した。


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