札幌都心部に顔がないまま5年が過ぎた。JR札幌駅南口からすぐの場所にある巨大な空き地。時間の流れを遮るように白いフェンスが続く。元札幌西武の跡地、現在の所有者はヨドバシカメラだ。そのヨドバシは沈黙を続ける。市の中心部は再開発が目白押し。サッポロの一等地はどうなるのか。P1050566(写真は、旧札幌西武の解体工事=2011年7月撮影)

 札幌西武と札幌ロフトを所有運営していたセブン&アイ・ホールディングスからヨドバシカメラが土地建物を取得したのは2011年1月。ことしで5年が過ぎた。取得額は約80億円。一時は買い手に札幌本社のニトリの名前も挙がったようだが最終的に金額面でヨドバシの取得が決まった。
 
 ヨバドシはJR札幌駅北口にも店舗を持つ。最初は、この店舗を旧札幌西武跡に移すとしていたが、5年経っても動きはない。80億円を投じたまま土地活用をせず収益を生まない土地を寝かしておくだけではヨドバシにとってももったいない。
 
 市はこれまでヨドバシに何度かアプローチを試みたが、今現在、意思疎通はできていない。冬になるとフェンス近くの歩道は除雪されず雪が積もったままになる。ロードヒーティングがあってもヨドバシは電気代を払っていないからその部分だけ雪が積もる。街路灯も灯さない徹底ぶり。
 さらに地下から地上へ出る階段もベニヤ板で塞がれたまま。この出入り口は札幌西武時代に都市計画決定がされており、いつまでも塞いだままでは市の面子も潰れる。地下鉄東豊線と南北線を結ぶ地下コンコースの檻も来年秋には取り外されて地下の回遊性は高まる。ベニヤ板のままではいかにもみすぼらしい。
 
 札幌都心部では、北1西1の再開発が進んでいるように冬季オリ・パラ誘致や北海道新幹線の札幌延伸を見越してマチの顔を創り変えるサッポロ・リニューアルの時期に入った。都心部の顔となるこの土地はいつまでのっぺらぼうが続くのだろうか。


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