証券会員制法人の札幌証券取引所は20日、定時会員総会を開催し第85事業年度(2014年4月~15年3月)の業務報告を了承した。当期剰余金は935万円で前期の1259万円より減少したものの2期連続の黒字になった。IMG_8293(写真は、札幌証券取引所1階の札証PRコーナー)

 収入は株式売買が増加したため会費も1200万円ほど増えたことなどにより1億5468万円(前期は1億4573万円)になった。期中に、1階の札証PRコーナーの設置や2階、4階、5階の改装、さらに使われていなかった6階もテナント利用できるように改修したため施設費などが増えて減益になった。
 
 有価証券はこれまで国債や道債しか保有していなかったが、預金の一部をETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)に振り向けて運用に乗り出している。
 就任5年目になる小池善明理事長は、「証券取引所の体制や資産は整ってきたので上場企業が増えてくれば収益はさらに安定する」と語った。
 
 なお売買高は2127万株で前期と比べて21・6%増加、売買代金は195億円と新規上場のあった前々期の227億円に迫る水準となり、前期の93億円から101億円増加した。
 新規上場がゼロ、上場廃止は日本製鋼所、伊藤忠商事、富士フィルムホールディングス、日本製粉の4社になったため上場会社数は前期比4社減の56社。会員はアイネット証券が脱退して19会員になった。
 
 任期満了を迎えた会員外理事4人(横山清アークス社長、大谷喜一アインファーマシーズ社長、笹原晶博北海道銀行副頭取、柴田龍北洋銀行副頭取)は再選された。笹原氏は6月末の道銀頭取就任後も会員外理事を続け、月一回の理事会に出席する。


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