DSC_6992 北海道電力は30日、2015年3月期決算の見通しを明らかにしたが、連結業績では30億円の赤字、本体の単独業績では10億円の黒字で連結子会社に赤字が滞留する歪(いびつ)な構造になる。本体は値上げや修繕工事の繰り延べで収支改善が図られるが、子会社は経費削減の直撃を受け赤字体質を抜け出せず本体単独業績の足を引っ張る構造が続くと見られる。(写真は、業績見通しを発表する真弓明彦社長)
 
 15年3月期の上半期(14年4~9月)連結業績は、昨年9月からの電気料金値上げで売上高が10%伸びて営業利益は26億5800円と昨年上半期の304億5000万円の営業損失から黒字転換したが、経常段階では財務体質改善が進まず金融機関等への支払利息も84億円で昨年上半期より3億円増加、49億1300万円の経常損失(昨年上半期は376億円の経常損失)だった。純利益段階では、渇水準備引当金215億円を取り崩したことで136億4800万円(同1億9300万円の純損失)と黒字転換した。
 
 単独業績も上半期では連結業績とほぼイコールだが、通期では様相が変わってくる。下半期では電気料金再値上げによって約300億円の増収になり修繕費、諸経費は約130億円節減することで下期半期だけで450億円経常損益が好転する。
 
 しかし、修繕費・諸経費などコスト削減は、子会社の業績悪化に結びつく。この結果、単独業績では通期で黒字転換するものの連結では30億円の赤字が続く。16年3月期は、再値上げの恩恵が通期に反映されるため、北電が15年11月に想定する泊原発3号機の再稼働がなくても単独では収支均衡が図られる見通し。しかし、連結子会社の赤字構造が改善されなければ利益の目減りは避けられない。本体の財務改善をどうグループ全体に波及させていくかも今後の経営課題になりそう。
 
 北電の連結子会社は、北海電気工事、北電興業、苫東コールセンター、ほくでんサービス、ほくでん情報テクノロジー、北海道計器工業、北海道パワーエンジニアリング、ほくでんエコエナジー、北海道総合通信網の9社で持ち分法適用会社は北電総合設計、ほくでんスポーツフィールズ、ほくでんアソシエの3社。


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