IMG_0761【北方ジャーナル提携記事】 紋別市は、住友林業と住友共同電力が同市新港町に建設を開始した木質バイオマス発電所に隣接して植物工場を誘致する方向で検討を始めた。発電所から発生する廃熱水の有効利用を図るため、産官学で「木質バイオマス発電所廃熱有効活用検討委員会」を立ち上げ事業の可能性を探る。(紋別市新港町で建設が始まっている住友林業のバイオマス発電所。写真の建屋はチップ工場)
 
 住友林業と住友共同電力は、紋別市に林地未利用材を主原料にした木質バイオマス発電所の建設を始めている。発電所本体は9月に着工しており今年度は杭打ち工事まで実施、運転開始は2年後の2016年12月。発電所に隣接するチップ工場は先行して6月に着工しており来年3月に完成する。
 
 発電規模は5万キロワットで紋別市の世帯数(約1万2300世帯)を上回る6万5000世帯の使用量に相当する。発電した電気は再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)によって北海道電力などに売電される。
 
 発電所では冷却水として1日4000㌧の上水が使用されるがこの廃熱を利用することもできるため、市は産官学で廃熱活用の検討委員会を設置して検討を開始することにした。廃熱活用の事業として市が期待しているのは植物工場。摂氏20~30度の温熱が常時利用できるためで、誘致を含めて検討することにしている。
 
 市が試算した木質バイオマス発電所の経済波及効果はイニシャルコスト段階で3年間、69億円、稼動を始めた段階では年間39億円と見ている。植物工場など廃熱の有効利用が進めばさらに経済波及効果は高まりそうだ。


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