札幌時計台(札幌市中央区北1西2)の2階ホールにベンチに足を組んで座るクラーク博士の像がお目見えした。時計台は旧札幌農学校演武場。札幌農学校と言えば「青年よ大志を抱け」のクラーク博士、ということで博士が札幌を去って140年ぶりに時計台に戻ってきた。20171030_130522(写真は、ベンチに座るクラーク博士の実物大の像)

 クラーク像を市に寄贈したのは、時計台を管理運営している指定管理者のMMSマンションマネジメントサービス(本社・札幌市中央区)。本業はマンション管理業だが、3年前に管理のノウハウを活かして時計台の指定管理者に応募、審査を経て選定された。

 民間のノウハウを生かしてコンサートなど様々なイベントを実施して来館者増を図り、この3年間で来館者は約16万人から約20万人に増加した。指定管理期間が来年3月末で一旦切れるため、これまでの収益を還元する目的と今後の来館者増に繋がるモニュメントを寄贈しようということでクラーク像を選んだ。とは言っても、国指定重要文化財のため、そう簡単には進まなかった。

 時計台の在り方を議論する有識者会議で検討してもらい、重くて床が抜ける心配がある銅像は却下。比較的軽くて持ち運び可能なエポキシ樹脂製でOKが出た。木製ベンチに座るクラーク博士をイメージして制作に半年間を要した。ちなみに制作したのはオリジナルフィギュアなどを専門にしている造形BLOCK(札幌市北区)。制作費は約200万円。

 このクラーク像がお披露目されたのは、時計台の創建日である10月16日。秋元克広札幌市長やMMSマンションマネジメントサービスの堂守貴志社長らが出席して除幕式が行われた。堂守社長は「クラーク像によって更なる来館者増に繋がれば嬉しい」と話している。

 ベンチに座るにクラーク博士は180㎝、80㎏だそうだが、実際はそれよりも大きく見える。足を組んで威厳のある博士の横につい座りたくなるような磁力がありそうだ。


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