中国人は、ワサビとホッキ貝が好き――北海道を訪れる中国人観光客の嗜好を調査したところこんな結果が出たという。道庁が窓口になっている「食クラスター協議体」が進めているマーケティング調査の一環。3月にはこれらの調査を基にした中国人観光客向けの北海道みやげの試作発表会を開く。


 北海道を訪れる中国人観光客は年々増加している。道がまとめた昨年4~9月の上半期の外国人観光客数は、前年の上半期に比べて39%増の40万6800人。地域別では、①台湾12万1600人(前年同期比39%増)②韓国8万7200人(同51%増)③中国5万9700人(同93%増)④香港4万7500人(同20%増)。
 昨年上半期は香港が3位だったが、今年上半期は中国が逆転した。各国とも入り込みが伸びたのは、新型インフルエンザが終息したことに加えて景気回復による効果と見られている。
 その中でも中国人観光客は、昨年7月のビザ発給条件が緩和されて以降の伸びが顕著で7~9月だけを見ても前年の同期間に比べて104%増となり倍増の勢いで伸びている。尖閣諸島問題などが下期は多少の影響を与えそうだが、年間を通して3位の入り込み数はほぼ確実な情勢だ。
 道が窓口役を務めている産官学金によるオール北海道体制の「食クラスター協議体」では、増加傾向の中国人観光客に向けて道産みやげの潜在需要は大きいと見て、中国人が好む道産食材を使ったみやげの開発を進めている。
 これまでに、中国人観光客向けのみやげ食品の消費動向を調査したり、中国人のみやげに関する意識をインターネットで現地調査、さらに道内に在住している中国人を対象にみやげ食品の試食会を催して評価してもらうなど、中国人の道産みやげに対する嗜好やニーズを多角的に調べている。
 既に「パイ」、「つくね」、「わさび味スナック」など8品目の試作品で作って試食を重ねている。
 道の担当者によると、「中国人はツンとくるワサビが好みのよう。北海道に自生する山ワサビを使ったみやげ食品はひとつのターゲットになると思う。また、ホッキ貝も売れているという。とりわけホッキ貝の燻製を好むようだ」と言う。
 1月中には、さらに試作品を追加して道内在住の中国人に試食してもらい、最終的には3~5品目を実際に生産できるように促していく考え。
 3月には、中国人観光客向けの北海道みやげとして成果を発表する。


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