民事再生法を申請していた登別カントリー倶楽部の経営権が恵庭開発に移ってから2シーズン目を迎える今年、新規会員が900人を超えるなど再整備された同倶楽部の人気が高まっている。民事再生後のメンバーコースは、ステータスの劣化やメンバーの帰属意識が希薄になるため、民事再生法申請以前の地位を確保するのは難しいが、登別カントリー倶楽部は再生ゴルフ場の成功ケースとして注目されそうだ。(写真は、登別カントリー倶楽部)
 
 恵庭開発は、経営難に陥ってRCC(整理回収機構)の管理下にあった恵庭カントリー倶楽部(恵庭CC)を任意売買で取得(取得価格は約8億円)、再生させた実績がある。
 
 一昨年11月、負債額13億円を抱えて東京地裁に民事再生法を申請していた登別カントリー倶楽部(登別CC)のスポンサーに名乗りをあげた同社は、昨年4月に経営権を取得、再生を本格的にスタートさせた。
 
 金融債権が殆どなく、預託金会員債権が中心だったため、弁済率13%、20万円を預託金会員に返還することを決めた。継続会員と退会会員を募ったところ既存会員約800人の半分に当たる400人が退会した。
 
 継続会員の持つ会員権は10万円ずつの会員権に2分割され、友人などに自由に売却できるようにし名義書き換え料もかからないようにした結果、新たに400人の新会員が誕生。登別CCでは、さらに入会金の掛からない10万円の新規会員も募集したところ、こちらは500人の新規入会者になった。
 
 既存会員から分割された会員権を取得した新規会員400人、登別CCが募集した新規会員500人、合わせて900人が新会員として登録され、既存会員400人を含めて1300人の会員コースとして2シーズン目を迎える。会員には、姉妹コースの恵庭CCの利用料金が割安になる特典もある。 
 
 登別CCでは、昨年以降3億円弱を投じてクラブハウスとコースの改修工事も行った。4月21日が2シーズン目のオープン日となっている。
 
 民事再生法を申請したコースの多くは、ブランド力の低下やメンバーのモラル維持が難しく、新規会員の募集を行っても予定会員数に届かない場合が多いという。登別CCの再生事例は注目を集めそうだ。



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