一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(略称・HFMA、札幌市)は、1日・2日の2日間、2013年度認定ファシリティマネジャー資格試験のための実力養成講座を開いた。会場となった北大工学部N304教室には22人が出席、7月に全国で実施される資格試験の予備学習に臨んだ。同試験は、合格率が40%程度と難関で出席者たちは参考書類を並べ講師陣の講義を熱心に聞き入っていた。(写真は、FMのプロジェクト管理について講義する似内志朗氏)

 認定ファシリティ資格試験は、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会と社団法人ニューオフィス推進協議会、公益社団法人ロングライフビル推進協会の3団体が1997年度から実施しており、ファシリティマネジメント(FM)に必要な専門知識、能力を認定するもの。

 FMとは、企業団体などの組織体の全施設や環境(ファシリティ)を経営的視点から総合的に企画、管理、活用する経営管理活動。
 企業や団体、自治体などの組織は事業の継続性が重要で、ビシネスや住民サービス活動そのもののほかにそれらを支えるインフラをマネジメントしていくことが求められている。FMの考え方は、主として外資系企業が確立してきた戦略的マネジメント手法で、「全事業費に占めるファシリティコストはグローバル企業が8%程度なのに対して日本企業の平均は11%と3ポイントも高い。この差が競争力の差として現れている一因」(似内志朗日本郵政不動産企画部部長)という指摘もある。

 HFMAが開いた実力養成講座では、FMの基礎からFMの目標管理、FMのプロジェクト管理、演習問題や小論文とカリキュラムが組まれ、松成和夫プロコード・コンサルティング代表や松岡利昌MRI松岡総合研究所代表取締役、大田友祐エフエム・ソリューション取締役、似内氏、羽山広文北大大学院工学研究院教授がそれぞれ講義した。

 出席した22人は設備関係会社や設計会社に所属し、年齢も22歳から64歳までと幅広かった。
 なお2013年度の認定ファシリティマネジャー資格試験は7月7日に全国9会場で一斉に行われる。現在、認定ファシリティマネジャーは全国で約7000人、北海道では約260人いる。


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